日本テレビ ヒルナンデス、men'sEXでもおなじみ、伊勢丹新宿メンズ館や日本橋三越本店にお店を持つ名門クリーニング、ウォータークリーニナングのナチュラルクリーン。
クリーニング業界に従事している方からすれば、水なんて溶剤に少し入ろうものならば衣類の形が崩れてしまって、大変なクレームになるから、特に高額なブランド物ほど、むしろどれだけ水を入れないかが肝!とおっしゃる方がほとんどなのでは?
ナチュラルクリーン代表中田氏に質問責め
「楽しくなくっちゃさ、
だって、洋服好きなんだもん」
冒頭から面食らいました。
代表である中田氏、青春を謳歌しているかのような純真な笑顔に、そもそものクリーニング店の《作業》のイメージは消え去りました。
「二日酔いじゃだめなんですよ~だって、狂うんですよ、手もとが。
日々修行ですよ、早く寝て、朝は4時過ぎに起きて心身のコンディションを整える。
よく職人って飲むイメージでしょ、そういうのってうちではないんです。
しっかり朝ごはん食べる、で、体操する、筋トレする。体が資本ですから、アスリートみたいです。
58になったけど、どこまで行けるか分からないけど、80歳まで走りたい、可能ならばね。
ジジイとババアの青春グラフティみたいなもので、若いやつなんかね、年寄がこれだけがんばってんだから、何があってもみんな文句いえないんです。」
中田氏は、アイビーに夢中の青春を駆け抜け洋服大好き。
現役のお寺の住職であり、保育園の理事長も務める。
10年前、社長の山田幸雄氏が脳梗塞で倒れ、幹部社員たちの強い要望もあり縁あってこのナチュラルクリーンへ。
結局この日、午前10時前に到着したものの、実際の作業場を見学スタートは午後12時過ぎ。
実に約2時間、中田氏の洋服とクリーニングの情熱奮闘記をお伺いすることに。
「クラシコ(のクリーニング)やった時なんて、
酸いも甘いもあったよ、糸が違うもんな」
まさかクリーニング店に取材にきて、ブリオーニ、アットリーニなどヨダレが出るような名門ブランドたちの名前が次々と出るとは思いもよりませんでした。
水洗いの実験の為に、私物のオーダースーツを随分洗ったとか。イタリアの手縫い高級スーツも次々と水洗いクリーニング。50万円のクラシコジャケットをも投入したのだとか。
ほぇ~
「何か未知のものへ挑戦する喜びがある、
いくつになってもチャレンジャーじゃないとね、わくわくしないでしょ。新陳代謝が起きないよ。お金がすべてじゃあ、できないって。」 そんな中田氏だからこそ、日々様々なチャレンジをしどこでやってもダメだった、そんなクリーニング品の最後の駆け込み寺がナチュラルクリーンなようで、我々でも恐れ入るプレタたちのクリーニングをも手がけているようです。
聞けば聞くほど知らなかったぁぁ・・・・・。
「普通のクリーニング店で、高級衣類のクレームいっても、仕方ないですよ。だって洋服の成り立ちというか、構造って知らないから・・」
考えてみれば、もっともです。
もし洋服の構造、ブランドもわからずに、
例えばプレタの高級シャツで知られる「フライ」がクリーニングに入ってきて、
980円シャツと一緒に置かれていた時に、クリーニング店の店員や工場作業員は大切に扱うでしょうか?
洋服の価値を知っていらっしゃったならフライのシャツはフライのシャツ。
しかし作業する人間からすれば、フライもファストファッションも、おそらくそれはどちらもシャツにしか見えません。
ドライクリーニングを扱う全員がそうだというわけではなく、
やはり人によるということではないでしょうか。
洋服を知らない、愛情がないと雑に扱ってしまっても仕方ないのかもしれません。
それにしても、ブリオーニやアットリーニといった、ヨダレが出るような高級スーツたちが次々到着していました。
また、ルイヴィトン、シャネルのバック、モンクレーのダウンも。
そんな中田氏に、ドライクリーニングとウォータークリーニングの違いを聞いてみました。
「ドライはドライで皮脂汚れや油性の汚れを取るのでうちでも使ってますよ、シリコーンドライというのをね。
ソープを入れて汗抜きドライというのも一般的にはあるんですが、やはりサッパリ感はないです。
これは着用すればすぐ分かります。
だから、うちでは洋服洗いに最適な水(クラスタルウォーター)を開発してそれとマイクロバブルで洗う。そうすると、本当に生地が蘇る。発色も。
なにより汗が除去されるとスーツが5グラム軽くなる。この5グラムの体感感覚は数字以上に軽く気持ちいいんです。
「逆にドライばかりで洗ってると、スーツは硬化していきますよね。
汗が抜けてないわけだから・・・。」
やはり汗は抜けないんですね!
「汗の成分は塩分とかタンパク質とかアンモニアとか、
特に塩分が生地に残っているとヤバイ。
よくグレーのパンツが黄ばんだりカチカチになってたりするのは
それですよね。ドライばかりで洗ってると、汗の成分が残ってそうなります。
服を知ってる人間だったらね、やはりパンツだけでも水洗いしないとダメって知ってますよ。
ジャケットも汗抜きしないとって。
汗かきはジャケットの脇のキュプラの裏地なんて必ず変色しますしね。」
その状態、弊社のお客様が長年着用されたスーツでもよく目にします。
「汚れ落としや成形にはドライが必要な場面もたくさんある。
ただ、やはり水洗いはね、ドライとは臭いが違う。
そしていろんな洗剤を使えて楽しい。
これはあくまで僕の主観だと思って聞いてほしい。
また、水で洗うって、バーバリーのコートなんて、
洋服好きな人には、洗いざらし、ハンフリートポガートのカサブランカみたいに、揉んで返すぞ、みたいな。
それは通のやり方だけどね、そんなこともできるし、シリコーンドライに入れて、ピッシッとね、公認会計士とか、会社の役員さんみたいなのもできますけどね(笑)。」
いいですよね〜洗いざらし、通な感じ。
「あのね、うちは現場第一主義。見ていただいたらすぐわかりますよ。
うちはオープンキッチンみたいなことをやりたいんですよ、
現場をお客さんたちに見せたら、ものすごくやってることがわかりやすい。
表の部分よりも隠れてる裏の部分を見てもらいたい!
表より裏。
見えないところに意識を向けるんですよ。
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