オーダースーツ コンシェルジュです。
世の中には様々な生地を用いた洋服があります。
スーツやジャケット素材に関していえば、【イタリア】【イギリス】【日本】【中国】このあたりで織っている生地がほとんどです。日本人としては日本の生地を応援したいところなのですが、誠に残念ながらコストが合わなくなって、2015年6月現在では実際に国内で織られている日本製生地というと、片手で数えられるほど。
以前訪問した生地ができるまで 織元を巡るでご紹介した日本のミルもそうですが、実力あるミル(織元)が健闘しています。
で、実際のところ織っている国が違ったらどう違うの?
ここを解説したいと思います。
写真は英国 ホーランドシェリー社の生地で仕立てたスリーピース。
ホーランドシェリーはマーチャント。
ミルとマーチャントについてはこちら
染色はイタリアで行い、織っているのはイギリスです。
イタリーの生地ってなぜ弱い?
イタリア生地は、よく柔らかい、とかしなやか、という風に表現されますよね。
それから、ファッション性が高い、という風にも言われます。
まず柔らかいと言われる理由は、縦糸は双糸、横糸は単糸織られていることが多いからです。
中島みゆきの歌に、糸という歌があります。
縦の糸はあなた~横の糸はあたし~
福山雅治さんがカバーしてから、私も好きで歌いますが、、
そもそも織物は、縦の糸と横の糸でできているという前提があります。
単糸というのは、その名のとおり1本の糸。
それに対して、双糸というのがあります。
双糸は、その字から推測できる通り、2本の単糸を撚り合わせて1本の糸にしたものです。
重たいイギリス生地の正体
イギリスの生地は、縦横双糸で織られているものが多いのです。
ウエイトがある、というように表現されるのはそういう部分からです。
実際にしっかりしていて、厚く重みも出ます。
単糸をしっかり撚り合わせて1本の糸にした双糸を、
縦と横の糸に使用すれば、耐久度も出て丈夫です。
シワにもなりにくい。
良く、イギリス生地で誂えた洋服が、仕立映えする、という表現をされるのはこの所以でしょう。
上記2つのお国柄から生地をまとめると、下記のようになります。
■イタリア生地
・・・長所・・・
柔らかく滑らか
艶やか
ファッション性が高い
軽い
・・・短所・・・
耐久度に欠ける
シワになりやすい
■イギリス生地
・・・長所・・・
しっかりしている
仕立映えする
ずっしり重みがある
クラシックな雰囲気
・・・短所・・・
モダンな雰囲気に欠ける
厚みがある
生地の質や素材、
ブランドによっても上記の通りではないでしょうが、
おおよその特徴はこんなところかと思います。
さて、ボットーネ横浜山下公園店オープンまもなくで、いよいよ最終調整に入りました。
楽しみいっぱいです。
次回はフランスの生地と中国の生地についてです。
ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。