オーダースーツ サロン ボットーネ代表 松はじめです。
雨の東京、表参道・南青山エリアは静かな雨音とカラフルな傘が行き交います。初夏の雨の休日といえば、木々を見渡せる特等席に、淹れたてのコーヒー、序盤を迎える読みかけの本、この3つが揃ったなら、雨音が心地よい音楽となり、私が思う最上級の贅沢の1つです。
ところが、こんな日に紳士が悩むのは靴ではないでしょうか?
しっかり手入れされ、フィットした革靴を履きたいものの、雨。こんな日、実は最適武装はスウェード。まんべんなく防水スプレーを浴びたこのシューズは良きパートナーとなります、お試し下さい。
さて、前回のブログでは、フランス編 昼間のパーティースーツの色 についてお伝えしました。今回はパリでのオペラの服装についてです。併せて、パリで遭遇した驚きの大行列!の正体についても。
パリでオペラ鑑賞をしようと思えば、パリ・オペラ座バスティーユかパレ・ガルニエ。
このパレ・ガルニエは世界三大オペラ座の1つであり、1862年にシャルルガレニエが設計した建造物で、現在でもオペラを鑑賞することができます。
今回は弾丸ツアーにつき、当日券を入手すべく、16:00にガルニエに購入に行き、ほぼ満員の中の1席を確保することができました。高級なイメージがあるオペラですが、今回は座席がほぼ空いていなかったこともそもそもですが、10ユーロ(約1,400円)の席を確保。オペラ鑑賞の傍ら、服装チェックです…
やはり鉄板 タキシードスタイル
左上の眼鏡の紳士。
タイトシルエットのピークドラペル・タキシード。
ただし優雅に衿は決して細くありません。
ボウタイは大きめ。
タキシードスタイルは、基本はブラックタキシード上下、
シャツを見せぬようカマーバンドを巻き、
ブラックボウタイ。
シャツはウイングカラーという立ち襟、ダブルカフス、
カフリンクスは黒のオニキスと決まっています。
こちらの紳士はおそらくウイングカラーではありません。
こちらのタキシード姿、スタッフの方々であります。
タキシード用シャツの胸ポケット
ブラックタイも少なくありませんでした。
こちらの紳士はウイングカラーではなく、通常のワイドカラーにボウタイをなさっています。
胸ポケットがあるシャツであるところを見ると、普段から使用しているシャツかもしれません。
公式フォーマルのシャツは、胸ポケットがありません。
ジェームズボンドのそれももちろん胸ポケットなし。
ポケット=実用ということを考えるとそうなります。
またシャツの胸ポケットに物を入れると、スーツ同様型が崩れエレガントでありません。
ビジネスシャツでも 【胸ポケットなし】 はお勧めです。
タキシードのラペルやデザインですが、
今回は100%シングル・ピークドラペル。
ショールカラーやダブルブレストタキシードは0%。
逆にそういったものを着用すればさり気ないこだわりを演出できます。
関連情報 ▶ 衿の形 ノッチ・ピーク・ショール
関連情報 ▶ ウイングカラーの着こなし
少なくないノーネクタイスタイル
フィット感のあるダークスーツを着こなす紳士。
しかし・・・ノータイ!?
また、ネクタイをなさっている方ももちろん多くいらっしゃいますが、
レジメンタルタイ(ストライプのタイ)の紳士に出会うことはありませんでした。
関連情報 ▶ レジメンタルタイの向きにはご注意を
関連情報 ▶ ネクタイの太さ 選び方
基本はダークスーツスタイル
ダークスーツ姿は少なくありません。
やはりネイビー・スーツが多く、ブラックスーツ姿(限りなくブラックに近い濃紺スーツの可能性も高い)も。
先日のランチクルーズに続き、スリーピーススーツスタイルの方には出会いませんでした。
ファッショナブルなジャケットスタイル
中央に、華やかな配色の紳士を発見!
グリーンジャケット×ピンクパープルシャツ×ピンクパープルパンツ
イエローのタイとチーフでカラートーンを合わせ、
スウェードシューズで足元を収めています。
日本ではなかなか見かけない紳士のジャケットスタイルでしょう。
こうして幕間に1階から4階まで、ワイン片手に撮影をしておりましたところ・・・
偶然にも先日ブログでご紹介させていただいた、ランチクルーズの主役お二人(であろう)男女に遭遇。
これは同じ1日の出来事でありましたが、しっかりタキシード姿でいらっしゃいました。
このように、必ずしもタキシードというわけではありません。
もっとラフなジャケットスタイルの方はもちろん、3階席以上になればデニム姿の方も。
こうしてみると、ヨーロッパ近郊の方々にとって、オペラが特別なもの、というよりは、日常の芸術・娯楽の1つと捉えているように感じます。
とはいえせっかくですから、オペラにタキシードで出かけるのも一興ではないでしょうか。
欧州に出張でしたら、1着持っていって困ることはありません。
そして明らかにサイズが合っていない!と感じさせる紳士は、日本の割合に比べとても少ないです。
具体的に数値化できませんが、
日本は銀座、南青山などの地域を歩く紳士は、スーツの良フィット感地域があります。
フランスはパリ全体を見て、スーツの良フィット感があります。
やはりここは、私が仕立服を扱っていなかったとしても、周囲の友人にはオーダーメイドをおすすめしていたと思うところであります。
関連情報 ▶オーダースーツ おすすめの理由
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さて、私が取得した座席、
それは4階のボックス席という非常にマニアックな席。
おぉっ!マルク・シャガールの天井画もこの至近距離。
私はこの位置におりました。
この建造物はもともと社交の場として設計されたらしく、稀に舞台が見えない席もある、と聞いたことがありますが、それがこのボックス席の2列目以降となります。
ボックス席からのカーテンコールの様子(当然ながら上映中は撮影禁止です)
本日は、ポッペアの戴冠。
この日はこの個室空間は私1人が独占という、結果贅沢な鑑賞となりました。
ちなみに、「オペラ座の怪人」で怪人が指定席とすることを要求したボックス席が3階にあるのだとか。
さて、先日の記事で、フランス・パリで長蛇の列となっていた光景。
POKEMON!
日本のポケットモンスター。
海を渡ったポケモンセンターパリの大行列。
6月4日から21日間の期間限定だったそうですが、商品も品薄になるなどの大盛況。
行列とまではいきませんが、賑わっていたのがこちら、KOMIKKU。
様々な日本の漫画がフランス語に訳され販売されていました。
日本のアニメ文化がこんなところに伝来しており、移動づくめのヨーロッパ出張でしたが急に活力を得ました。
パリの街の有名菓子店や雑貨店も、青山・表参道・代官山エリア、はたまた伊勢丹に出店している店舗が多く、いや、ほとんどある、そういっても過言ではないと思うのですが。
数年前になりますが、プラダをはじめメゾンが日本デザインにインスパイアされたコレクションを数多く発表していた年もありました。気づかずに暮らしているようで、私たちの国を見渡せば素晴らしいデザインに溢れているのです。
すごいですね、日本!
関連情報 ▶フランス編1:フランス・パリ出張とスーツスタイル
関連情報 ▶フランス編2:フランス編 昼間のパーティースーツ
ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。