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オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。

ここのところの表参道サロンは平日も予約で埋まってしまうことがございます。
皆様にお選びいただけ、ご注文を頂戴している洋服の着数も、創業以来最多。
僅かな時間を作っては周辺の街を散策し、トレンド感を感じるようにしている今日この頃でございます。



さて、本日着用しているのは、よく見るとaqua blue(水色)のスーツです。
グレーと並ぶとご覧のとおり。
Model:BOTTONE Clasico
fabric:SCABAL

普遍的な決して細くないラペルの2釦スーツに仕上げてみました。
普通のビジネススーツに飽きたという方へ、ちょっと技ありなスーツもご提案しています。
ジャケット・パンツとセットアップで仕立てて、別々にも着られるスーツもございますよ。

 
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さて、本日は採寸についてです。

採寸なんて、誰がやっても一緒じゃない?


あながち間違っていません。

ですが、オーダーをご経験された方の中で、
【ちゃんと採寸してもらったのに、イメージと違う服が出来てきたんだよね】
ということはありませんでしたか?




実はそれは、こう言っているのとそれほど変わりません。

【美容室に行くとみなハサミを持っているのに、切る人で変わるのはなぜなんだろう?】



採寸というのは… 
あくまでもあるポイントを計測しているだけなのです。

カーテンをオーダーしたことがある方はご存じかもしれませんが、
非常にシンプルです。

私も自宅のカーテンはオーダーなのですが、自分で採寸しました。
床からカーテンを吊るところまでのポイント線を計測します。
次に窓の幅です。
あとはヒダの感じをどうするか?といったディテールも少し関わってはくるのですが、基本はこれでOKなのです。

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1:人体は湾曲している

しかし人体は違います。
まず湾曲しています。
そしてそれは人によって大きく違います。



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2:採寸は点、洋服は線

それから、
採寸というのはそのポイントが何センチかということです。

そのポイントとポイントをどう結ぶのか?
それが洋服です。


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3:仕上がり寸法次第

例えばあなたがお腹まわりが80センチだったとしましょう。

ジャケットのお腹まわり(仕上がり寸法)が以下だったとします。


打ち合わせの結果、仕事柄、ベストバランスで長く着れる、しかし少しシェイプすることになった
→90センチ上がり


打ち合わせの結果、カジュアルでゆったりと着心地重視の服にすることにした
→95センチ上がり


打ち合わせの結果、極端にタイトな服にすることにした
→85センチ上がり


つまり、体を採寸することは基準でしかないのです。

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4:その線(シルエット)は感覚

そして上記の数値は、型紙・体型・素材などのバランスによっても変えるものなのです。
また、流行によっても大きく変わります。
ということで、
50歳台の方が仕上げる洋服と、20歳台の方が仕上げる洋服と、テイストが違う、だとか、
お店毎にシルエットが違うのも個性というわけです。


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5:そこで仮縫いを入れる手がある

絶大な信頼があればともかく、
普通の場合はここで仮縫い合わせを行うことで、作り手とのギャップを埋めることができます。


私たちの場合は、仮縫いで質問を重ねます。
お客様からお伺いしていると、テーラーによっては、仮縫いのときに意見を言いづらいな、と感じるお店もあるようです。
ですが、自宅を建てるのであればまさに基礎工事。これがから始まる本縫いに向けて、しっかり要望を伝えましょう。




ということで、
どういう洋服を作るのか?
のゴールをしっかりと作り手と話していなければ、当然ずれます。



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採寸は重要でないわけはありません。
重要です。
ですが、それよりも洋服の設計と補正の方が重要だということです。


中国、北京へテーラー視察に出かけたときですが、
百貨店に入っているテーラーの採寸者は、だいたい女性なんですね。
それも、質問しても腕があるようにも思えませんし、知識もほとんどない・・・

大丈夫なんだろうか?
そう思って質問を掘り下げていましたら、
【仮縫い時にプロがくる】とおっしゃっていました。

そういう風にしないとまわらないのでしょうね。



 
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さて、洋服の設計、補正、そしてその前に、着たい服が実現しそうなお店選びが大切になってきます。





例えば当店の場合は、



・予約制のサロンで、コンシェルジュとじっくり対話しながら、選ぶ、決める、作る
・お客様の立場、着用シーン、らしさを大切にする
・Yesマンにはならない、似合わない、相応しくない、などと感じた場合はNoも言う
・ワードロープの提案
・トータルコーディネートのアドバイス


というようなスタンスでお仕事をさせていただいております。
 


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他店なら、

・しっかりとした店構えと、歴史に裏打ちされた実績がある
・某有名生地が安い
・POPなデザインがある
・イタリア帰りの熟練の技
・とにかく安い、2着で・・・
・百貨店に入っている安心感
・有名デザイナーやモデリストのネームがついてくる
・奇抜なデザインスーツやスタイルがオーダーできる





というように、色々なスタンスがあるのではないでしょうか。
 
どうやら洋服屋選びは、美容院選びにどこか似ているかもしれませんね。






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今週は日本の世界を代表するといっても過言でない織り元と打ち合わせが続きました。
日本のモノづくり、加工貿易は復活する!
ただ、そのためにはデザイン・企画・○○らしさ、それら全部が必要、そう強く思います。


また、私たち世代の30代テーラーががんばっている、というお話しをお伺いしました。
嬉しいですね~。
それで、どうもそういった同業の方にもこのブログをご覧いただけているようなんですね。
またまた嬉しい限りですね~。
日本のテーラーのみなさん、一緒に業界を、そして日本を盛り上げていきましょう。!

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例えば最近の記事では・・・

 服飾評論家。ファッション・エッセイスト。 国際服飾学会会員。 
主な著書に 「スーツの百科事典」 「男はなぜネクタイを結ぶのか」 「福沢諭吉 背広のすすめ」 「ボルサリーノ物語」 など多数の出石尚三氏の特別公演に参加!
出石尚三先生の特別公演 英国から来た流儀

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などなど、プロが伝えるスーツ情報をまとめています。
よろしければご覧ください。



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