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オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。

空を見上げれば、そこにはいつもとさほど変わらない月が浮かんでいました。
少し海を隔てたこの場所でも、その月はおそらく日本で眺めているそれと同じはずなのに、なぜかこの日ばかりはそう感じずにいました。

いや、そもそも月を眺めることすら珍しいし、その月についてこれだけ想いを馳せるということ自体がイレギュラーなわけです。ですが、そのような気持ちにならざるを得なかったわけです。



その日、中国、北京から戻りましたら、東京がこんなにも過ごしやすいとはおもいませんでした。
北京はバブル期の日本を彷彿とさせる雰囲気。

立派なハード、だけどソフトである人、サービスがまったく追いついておらず。
だから私たち日本人が普通だと思っているサービス、仕事でもとても価値があるのです、これはきっと役に立てます。

それと、洋服の価格はちぐはぐで、男性雑誌はお洒落ですが、その服装は街にいません。
女性はお洒落で、高級バックは食事を我慢して買うというあたりもバブル日本的。綺麗なねーちゃんを連れたザ・社長みたいな人で溢れ、タクシーはつかまらない。(超高級タクシーは別ですが)

そんななか、26店舗を経営するバックリペア企業のオーナーとの出会いあり、またこの市場への新しい活路も見出すことができ、実り多い海外出張になったのでした。現地のRさん、顧問G氏のお陰です。


ということで、中国、北京へ出張してまいりました模様です…
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このたびはシーズンオフ(色々な意味で・・・)ということもあり、とても良い条件で4つ星ホテルに宿泊させていただきました。

富裕層女性はみな洒落ています。グッチ、ヴィトンといった王道メゾンブランドのバッグ、靴の所持率は日本よりも高いように思いますが、おそらくプレゼントなのでしょうね。

このあたりの消費傾向は日本人にも似ており、食事を我慢してでもブランド品!という女性も少なくないのだとか。


ところで、ホテルに入って驚いたのは、ホテルマンの服装です。


・3つボタンスーツのボタンを全部留めている
・ベルトはしない、しかもズボンのベルトレス(前のボタン)を外して(外れて)いる
・そもそもかなりオーバーサイズ



やはりスーツ文化がないからなのか、ホテルマンがなんだか不思議なスーツスタイルでした。

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ホテルの部屋からの景観です。
この右に巨大ビルが2棟あるんですが、2つともLG電子の自社ビルです。
日本企業に経常利益でとてつもない差をつけて成長しているLGのパワーを間のあたりに。

だから街の看板も、LG、サムスン、LG、サムスン、サムスン、パナソニック、、です。

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まずは休憩。
水は心配なので、ラウンジにてスプライト。

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さて、ここから色々な百貨店をまわります。
国貿(ゴウマオ)という高級感のある街へと繰り出します。

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世界的メゾンブランドが1階を占有しているのは日本でも見慣れた光景ですよね。

歩く人々もファッショナブル。

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テイストや置いてあるラインアップは違います。


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スーツ屋も少なくありませんし、ゼニア、ブリオーニなどもあります。
価格は日本の1.5倍くらいでしょうか。

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百貨店内のテーラー。
なぜか3人の女性が店員。
縫製は上海、生地はイタリアが多く、ゼニア、カノニコ、ホーランドシェリーのバンチも。



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お勧めや値段を色々と聞いてみるのですが、どこに行ってもすぐに回答できるスタッフがいなかったのには驚きました。教育が追いつかないのでしょう。

ある高級靴のショップに足を踏み入れて驚いたのは、店員の靴は良いとして、肩がフケだらけだったこと・・・
え?いいの、店長?




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思わず笑ってしまったのは・・・
オープン前のボッテガベネタ、
ディスプレイの靴がまるで履きつぶされたズックのようにぐちゃっとしている!




そんななか、窓ごしでは私たちの視線を気にする様子もなく、
掃除のおばちゃんがゴム手袋でボッテガの高級シューズを並べています。


それって日本みたいに閉店後にスタッフたちがディスプレイするわけではないんですね?


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スーツスタイルにはショルダーが多い。
スーツ痛めますよ。


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シューウエムラもありました。




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本日は本格中華ではなく、いわゆるトレンドのレストランへ。



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創作中華はどれも現代的な味で、ファッショナブルな男女であふれています。
ザ・社長のような方の脇に、超綺麗どころ女性2人、といった光景も当たり前。

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私と顧問G氏はジロジロと視線を感じます。
おそらく、ガイコクジンだからでしょう。

私の服装は、イエロー・コーデュロイのパンツ、茶色千鳥のジャケット、パープルのカーディガン、タイも鮮やかなパープル。

G氏はアイビー調ブラック・ジャケットに、カラーパンツ。



そもそもジャケットスタイルが私たちだけ?
そう、中国では誰もジャケットなんて着ないのです。着る場所もなければ、着る文化もない。スーツですら。


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ブライダルについては、驚きのレポートが。
新郎さんが、ジャケパン!

ウエディングドレスの女性の横、
紺ジャケにグレートラウザーズ、手には茶のビジネスバッグ!??

これはややラフなビジネスカジュアルスタイルでは?



その他タキシードのようなスタイルの実績はなく、
写真はほぼ全てスーツでした。

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パッと見は銀座と変わらないのです。


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さて、ホテル帰宅へはタクシーですが、
つかまらないタクシーを待ちます。

タクシー乗り場でホットコーヒーのサービスがあります。
行列に並んでいると、案の定、高級タクシーのお誘いが・・・

「バブルのときの日本で、赤坂→六本木で1万2千円で移動したことを思い出すね」というG氏の言葉が中国事情を物語っています。



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ホテル近隣へ戻りました。
牛丼価格はそれほど変わりません。
とはいえ所得感からいえば高級品には変わりありません。



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深夜にマックへ行ってみました。
おそらく24時間営業なのですが、、、門前払い。
私たちの英語に、(???わからない)というジェスチャー。そうか、接客が面倒なのですね。




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2日目からはビジネス街へ。
東京の丸の内、といったところでしょう。
それでも男性はブルゾンのような姿が目立ち、コートはあまり着ていません。





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商業施設内には、スケートリンク!
東京ラブストーリーのようなトレンディースポットだね!と盛り上がりました。



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スタバも巨大。


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スキャバル。
見慣れているモデルの姿に、これは嬉しくなりました。
まもなくオープンな様子。


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高級品がバンバン売れている空気。


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百貨店の営業時間は非常に長めです。







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ここからはガイドS氏とともに、私のリクエストで三里屯(サンリトン)を目指します。
生野菜派の私にはなかなか食が合わない点は苦戦していますが、気を取り直して再出発。

が、午後6時となれば、大渋滞。

中国の新車販売台数は伸びる一方でしたが、数年前では考えられないほどの大渋滞が蔓延。
じゃあ地下鉄で行けば?というと、日本のラッシュの比ではないんだそうで、3回見送らないと乗れないといいます。


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あまりの自動車保有台数の増加に、現在はナンバープレートが抽選。
3ヶ月以上待っても当選しないこともザラということで、どうするかといえば、「えいやー」と乗ってしまうわけです、ナンバーなしで。

でも一般道にもカメラが設置されていますから、大変危険な行為です。
紳士なみなさまは真似しないようお願いいたします。


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ありましたよ、オランダの建築家レム・コールハースの、中国中央電視台本部ビル。

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建築が好きな方はご存知ですよね。
これまでの画一的なビルと異なる、アーバンで斬新なデザインが目を引きます。

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三里屯は私の感覚では渋谷・原宿・表参道・青山エリア。

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アップル、ユニクロと日本でも馴染みの世界企業が軒を連ねます。

アップル前で日本と光景が違う点といえば、
「アイフォン〜」と声をかけているややイカついお兄さんたちがいることでしょう。


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つまり転売しているわけですね、アップル前で。


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ここに来てほっとしたのは、ファッショナブルな店員さんがようやくいてくれたことです。
Bさんあたりの店員は素晴らしく、男女ファッションは日本と変わりません。
接客も日本的。

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周囲を歩く男女も、割りとファッショナブル。




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このような巨大ビルが乱立した北京は、歩けど歩けど目的地につきません。

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感覚でいえば、新宿都心の高層ビル周辺を永遠に歩いている気分になります。

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発見、あんなところにオーダースーツ屋?
下段の看板です。


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次々に建築されている高層ビル。
が、しかし、なんと足場が竹ではありませんか!
それに一気に高層階まで作ってしまうあたり、すごい。






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ハードはめきめきと変化していても、三輪が大活躍。
そういうアンバランスさがまた不思議です。

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ちなみに、道路にルールはあまり存在しないようで、

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ご覧のように、青信号の横断歩道を通行中、右折者が40キロくらいで猛進してきます。
慣れないなか必死でシャッターを切った私の功績が上記の写真ですが、周囲の方のあまりにも冷静な姿にこの危機感が伝わることはないでしょう。


それでなんですね、
クラクションの音が鳴り止まないのは。

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走っている車はベンツ、アウディ、BMW。
一番人気はアウディで、1億円超え。

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タクシーでフォルクスワーゲンが多いのは、中国産ワーゲンだということだそうです。


なんだか価格感がめちゃめちゃ。

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王府井(ワンフーチン)の北京で1,2を争う規模の書店。
1階は政治コーナーで占有率80%。
一部には軍事コーナーというものもあり、懸命に立ち読みしている若人の姿。


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ビジネス書コーナーは小さいのですが、日本経営の神様、稲盛氏の著書が並んでいたのには、G氏とともに感動しました。
ナポレオンヒルの思考は現実化する
ザ・シークレット
デールカーネギー 人を動かす


といった成功哲学的著書もきちんと並んでいました。




英語教育コーナーも充実。
現地で同行させていただいたRさんには7歳の子がおり、早期に留学させるために英語を学ばせていて、そのような家庭は少なくないのだそうです。

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ファッション系は?といえば、
落合正勝氏などはほぼありませんでした。
唯一見つけたのが上記の写真です。




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現地レオンを買ってみました。
なかにはトラッドなファッションもあるのですが、全体的に日本以上に成功者的にギラっとしています。

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レオン的女性の口説き方ページ。
根本は世界共通ということですね。



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なかなか注文を聞きにきてくれない高級バー。
希望の品は、「今日はない」そうで、「アサヒはどうだ?」と代替を薦められました。


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仕方ないので頼んだシェリーは、考える限界の量。
お得な気持ちであります。



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G氏とシガーバーを探していたら、国貿(ゴウマオ)の高級街にあるホテルのクラブラウンジに辿り着きました。
ひょんな出会いで入れて貰ったのです。その方は明らかに中国庶民とは違う西洋の服装(ジャケパンスタイル)で、ロンドンで買った、というその靴はコンビの洒落た靴でした。


この時の出来事から、中国でのビジネス展開を大きく変えるアイデアが生まれたわけですが、この時は知るよしもありません。

それにしても、富裕層と地方出身の労働者との明らかな差をまざまざと感じます。



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さて、ホテルに帰り、セブンイレブンで買ったアサヒ、その他を。
微妙に日本の方が美味しい・・・



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巨大なビル、まるで宴会場のようなスペースが何階も続いていますが、ピーク時は待ちが出るという超繁盛店。

北京、王府井(ワンフーチン)にある、全聚徳です。


全聚徳は確か銀座にもありますよね。
G氏と話したのですが、やはり中華は日本が最高。。
アツアツがすぐ出てくるから、です(笑) 

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このビル、すさまじい人気ぶり。
すごい建物。
でも・・・働いている側は入り口付近には都会の綺麗どころを配置、しかしウエイトレスは地方労働者。
だから接客はまったく期待できませんし、従業員同士で笑いあうのは当たり前、ガンと皿を投げるように置いていくあたり、驚きます。



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↑注文していないのも出てきました(笑)
OK、もう驚きません。
 
北京ダックは安価なのに、魚の価格が異様に高価なのは地域の特色。

 
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ところで地方労働者の差別は大変なものらしく、給与は倍違います。
現在の中国の一般的給与は、北京でエリート層が4万円(月給)程度、地方出身者は1万円〜2万円(月給)といった具合。




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こちらでの北京ダッグは一羽200元程度なんです。
日本円で2400円程度ということで、激安ということになりますが、現地の方の所得から考えるとエリートで12,000円くらいの感覚、貧困層では24,000円くらいの感覚となり、かなりの高級品となるわけです。

確かに日本はGDPで中国に抜かれ、バブル経済後、経済成長率が低成長を続けている数少ない先進国ではありますが、それでも私たちの先輩方が作ってくれた経済大国日本は、偉大なのだ、自信を持って世界に勝負しよう!とそういうことを肌で感じました。 


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この日、やってみました。
フェイスブックやツイッターへのアクセスをです。
もちろん繋がりませんでした。

私が登録していたVPNのサービス(裏技ですが)も駄目でしたから、google、gmailなど全滅。


戦後日本がそうであったように、そもそも厳しい基準(現地の方からすると)を満たさなければ海外には行けません。
ネットが厳しく規制されています。
そしてネットはとてつもなく遅いです。 

 
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急成長する隣国、中国。
スーツを着る、という文化はほぼなく、スーツ着用の企業であれば制服のように支給されます。
その反面、富裕層の方は世界中の良いものを買います。



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中国のココ一番カレーを見て思ったのは、トッピング価格で中華料理一皿食べられること。
では日本よりココイチが美味しいのか?というとそうではないですが、中華ばかりのなかで、相対的に差別化できているのではないでしょうか。

そこには日本流サービスがあり、清潔感や食材の安心感、ブラドイメージなどの物質ではない部分があるのだと思います。

これからの時代は、クリエイター(創造者)とサーバー(サービス提供者)しか生き残らないと言われますが、心が感じる付加価値をどれだけ生み出せるか?がキーになる。決して安くない金額の中国の日系企業を見て改めて感じた瞬間でした。


日本人として、世界に貢献できることを見つけていかなければいけませんね。
 
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