オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。
2013ss ミラノ
さて、ラペルの種類に、ノッチやピークがあるということを書きましたが、実はそれよりも大切なポイントがあります。
ゴージラインです。 ゴージラインとは何でしょう?ゴージラインとは流行と関係しているのでしょうか?
これは言われてみれば分かれているな、というくらい当たり前のようですが、分かれているのです。
あ、ショールカラーは別ですね。
で、この上と下の衿の境(ライン)のことを、ゴージラインといいます。
ゴージラインという用語を知っている強者でも、由来を知っている方は少ないのではないでしょうか?
ストレートに言うと、ゴージ=喉(のど)、「のどライン」ということです。
もともとはスーツは衿が折れていなかったのです。
寒い日のミラノおやじのごとく、衿は立っていたのです。
どうでしょう、衿を立ててみたところ。
ところでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、当店のハイクオリティな仕立てで、めくるとかなり凝った仕立てとなっているんですがね。わかります?
立ち衿だった証拠に、フラワーホールという穴があるんですが、これは社章を入れるところではなくて、ここにボタンがあってとめていたという名残りなんですよ。
立ち衿に戻ります。
立っていた衿、その喉のあたりをぐるっと引いた線が、のどライン、すなわちゴージラインです。
毎年、流行によって上がったり下がったりする、それがゴージライン、
これは間違っています。
正確には、毎年、流行を作るために上げたり下げたりしているデザイナーがいる、
が正解。
若干トレンド感を出しつつも、クラシックなゴージラインのスーツ
ラペルは8.6センチ。
なかなかのハイゴージなスーツ
ラペルは7.4センチ。
それで、本来は上がったり下がったりするものではない、
美しく見えるバランスは昔も今も普遍、
つまりはクラシックなスーツのゴージラインは、決まっている、ということになります。
これは落合正勝氏なども著書のなかで幾度となく唱えていますね。
私たちも、流行感をスパイスとして望んでいらっしゃる方のオーダースーツをコーディネートするときに、やや高めのゴージラインにしたことや提案したことはもちろんあります。
ときどきアレンジでハイゴージスーツを自分用に誂えたこともあります。
ですが、やはり落ち着くところパターン上バランスの良いゴージラインが、王道で長く着れて、飽きがこないし合わせやすい、何よりも男が凛々しく見えます。
20年前のブランド・スーツをお持ちの方はご覧ください。
随分と低くありません?ゴージライン。
もう着れない〜野暮〜と、それはゴージラインのせいもあるのです。
メンズウエアなど、たかだか1センチの上下や太い細いで踊らされ、
まったく流行とは、私の好きな昔の漫画の主人公の名言を借りれば、「やれやれだぜ」です。
そこはそこで面白い〜んですがね、嫌いじゃありません。
この日は家族で、新しい一年に向けて、お力を借りに、箱根へ行ってきました。
そこで、最後に少しお勧めのお店をシェアさせてください。
知客茶家:豆腐料理と山芋料理のお店。
ウェブサイトのこちらの文に興味を惹かれいってみました。建物も味わい深い。
→「しかぢゃや」と読みます。禅寺では、来客を接待する役僧のことを「知客」と称しているそうですが、私どもではお「客」様が何をお望みになっていらっしゃるかを「知」ると云う意味で「知客茶家」と名付けさせていただきました。皆様の楽しい思い出作りのお手伝いが出来れば幸いです。
はつ花。
定番かもしれませんが。自然薯(自然にはえる山芋の一種)と卵で仕上げたという蕎麦。たまにはカレーにしてみました。美味しい。
さて、1年を終え、 まるで感動映画のエンドロール観てるような、感謝の気持ちでいっぱいでした。
オーダーしてくださるお客様、コンシェルジュをはじめバックのスタッフ、職人のみなさま、そして美味しいごはんを作って帰りを待ってくれている家内、本当に皆様のお陰でよい一年となりました。
9月からは4期目ですから、もっともっと満足していただけるよう努力します。
ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。