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オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。

暑いなか、たくさんの方にお越しいただき、ありがとうございます。
「すごく良かった!」という旨の直筆のお手紙を頂戴しました。

オーダーという性質上、物作りの大変さは計り知れず、困難なこともあります。創業してまだ6年と業界では若輩者の私たちではありますが、このようにご満足いただけることが何よりも嬉しく、今までのどんな苦労も吹き飛んでしまうようです。
これからも満足していただける良い服・サービスを提供し続けられるよう、努力いたします。



さて、そんな私たちが携わっている洋服ですが、洋服という名前の如く西洋文明が築いた服であることは言うまでもありません。

1900年間、和服を着ていた私たち日本人は、ある日突如妙な服を着ることになります。
その後ずっと現代も、まるで朝に飲むコーヒーのように当たり前のように着ています。
それが洋服、ですよね。

どのくらいの衝撃だったかと思えば、
明日からクールビズだと言われるレベルではありません。


1:地球上の温度が昼夜&年間通して35度を超え、「明日から水着で出勤!」と政府の号令がかかる

2:宇宙人が地球に降り立ち、「明日から地球のみなさんはUFOに乗ってもらうので、この服を着ること」と人間形の半透明のゴミ袋を着る


そのくらセンセーショナルではないでしょうか。

赤信号、みんなで渡れば怖くない日本人はこうして洋服文化を受け入れていきます。
受け入れていくしかなかったということも、憧れだったということも、様々な感情があったことかと思うのですが。



さて、和服から洋服へ、大きな変化があった日本ですが、
最初に洋服らしきものが入ってきたのは一体いつでしょう?
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それはレオナルド・ダ・ヴィンチがモナ・リザを描き始めてからすでに40年後、

イギリスで、ヘンリー8世が亡くなる3年前、
 
日本では小田信長(当時上総介信長)が斎藤道三の娘、濃姫と結婚する4年前、


1543年、ポルトガルの船、アバイス号が種子島に漂流したそうです。
この年は日本に鉄砲が入ったことでも知られています。

 

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漂流したアバイス号に乗っていた乗組員たちを、日本の漁師たちが果敢に助けました。
この時、今まで見てきたことのある唐の服とはまったく違っているその服装に、言葉の無くして驚いたに違いありません。



助けてもらったお礼にということなのか、ポルトガル船乗組員達は着ていた上着、チョッキ、ズボンなどを進呈置したとあります。
 
まあしかし少し疑問が残ります。
進呈して、その後ポルトガル人は何を着て帰ったのでしょうか?
漂流して他にストックしていたというのも変ですし、やはり日本の服を着ていったのでしょうか。

進呈というより、着れない状態だったから、交換したとか??





さて、いずれにしてもポルトガル人の服が日本に渡りました。
彼らが普通に着用していた服も、異国では宝物、ですよね。

手に入らない見たこともない服がそこにあるわけですから、現代なら一瞬でインターネット上にアップされ、ツイッターで話題になり、ユーチューブで再生回数が上昇していくことでしょう。
(いや、そもそも現代ですと珍しい服も検索すれば出てくる情報社会でした)





この服は種子島の領主に渡り、
さらに薩摩の藩主に献上したとなっています。

「おぉ、これは珍しい!」とたいそうお喜びになられた藩主が目に浮かびます。



そんなこの服こそが日本に入った最初の西洋の服といわれています。
この服は洋服ではなくて、南蛮服と呼ばれます。



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1549年には、スペイン人フランシスコ・ザビエルがキリシタン伝道の目的で鹿児島に上陸しました。
この頃からは貿易によって、銀や刀と引き換えに、生糸やシルクの織物、それからビロード(ベルベット)が入ってきます。

ベルベットと銀&刀を交換していたというのも驚きですね。





日本国に洋服が入り、そして南蛮服や南蛮スタイルは諸大名によって流行したという部分もあるようです。



しかし鎖国後、洋服を着ている日本人=隠れキリシタン と見られた時代もあり、罰せられる恐るべし服、という認識になります。その後はオランダ人より蘭学を学ぶようになり、また洋服が近い存在になっていきます。


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西郷隆盛 

こうしていきながら日本に洋服の文化が少しずつ少しずつ、真っ白い布を紺で染色するように広がっていくのです。




現代では、男性のスーツ姿で魅力3割増し などと表現されることもあるくらい、スーツスタイルこそがスタンダードであり、恰好いい、という風になっています。



これは年輪のように時間をかけ、何世紀にも渡る、長い長い時の中で根付いたもの。
スーツや洋装の歴史、何気なくスーツを羽織る瞬間に思いを馳せたい心でありますね。 


 
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