オーダースーツ 東京ボットーネの松はじめです。
仕立て服は格好良くなくてはいけません。
ですが、中身もとても重要です。
見えないからといって手抜きしてはいけません、家と一緒ですよね。
当サロンが契約している一つ、この仕立て服を縫うファクトリー、お時間を頂く分、特にしっかり作っていますよ。
中身がしっかり作られていると、「あれ?軽いなぁ」と感じます。
着ている感じがしない!?
スーツは、持ってみると結構重いですよね?
綺麗に作っていないと、それを肩だけで支えることになります。綺麗に作ると、きちんと重量を分散するから、軽く感じるんですね。
実際に軽いわけではないので、不思議ですよ…
保管と使用次第で30年以上着れます。
服をしっかり作るというのは、
良い素材を厳選して、各工程に手間を掛けるということなんです。
本日の写真たちをご覧頂いただけでも、「俺の腕にはかなわなえが、まぁなかなか手間をかけているファクトリーじゃないか」と思って頂けたテーラーさんがいるのでは?
細部は企業秘密は公開できませんが、本日公開しているファクトリーは、パターンオーダーやイージーオーダーの約2倍近い手間をかけ、驚くほど細部にこだわっています。
【ハンガー面が美しい既製服】【着て初めて美しい仕立て服】とはよくいいますが、仕立て服はハンガーに吊るして美しく見せる必要がありませんから、立体的に作ります。そうすると、平面のハンガーでは逆に美しくないのです。
こちらは芯据えという工程を終えた仕立て服。
ふわっと丸いですね!
いい服は、なんとこの時点で体に沿わせるラインの丸みがあるんです。
芯据えは、フラットテーラリングの核心ともいわれます。平らな台上で立体を作り上げます。
最近はオーダースーツも低価格化してきて、中国製品や接着芯バリバリのスーツが増えてきていますが、体をつつんで、男性的な立体を作るやわらかい毛芯は、軽くて着ていて気持ちいい服となります。
衿をピッっとさせるためにここまでやるファクトリーさんは、最近は少ないかもしれません。
この工程、衿殺しといいます。
鎌状の衿を作るために、たっぷりたっぷりと時間をかけ仕上げていきます。
ここで発揮されるのはマシンではなくて人間の手。
手の力で、ブーメランのように少しずつ湾曲させて作っていくわけです。
外側の線と内側の線の円周が違いますよね。そこを外を広げ、中は密にしていくのです。だから首元までギュッと吸いつくんですね。
このあたりは型紙の設計だけではできません。
こうして衿をしっかり作っておくと、座って机に向かう姿勢をとっても変わりません。
また、ゴージ線。
上の衿と、下の衿のツギ目なんですが、ほとんどツギ目が見えませんよね?
実は、重なっている布の枚数をこれも手作業で変えているのです。だからまっ平ら。
普通は段差が付いています。
衿が大変綺麗で、ピタッとはりつき着ても綺麗。
ここは独特のノウハウなのですが、こんなことをやってしまうと一気に効率が下がってしまうのです。そこであまりやっているところがないのですね。
ボットーネのオーダースーツ、コート、シャツ、ネクタイなど全てのアイテムが国内仕立てです。海外が悪いといっているわけではありません。
日本製が特に良いのだと思っています。
自動車もそうですが、トヨタ車とフォード車と現代自動車を比較したとき、精密さという部分でトヨタに軍配が上がりますよね。(逆に細かくコンピュータ制御を作りすぎてリコールになったという感もありましたが。)
資源が少ない日本ですが、物づくりでは日本の新幹線がベトナムでも採用されますね。中国製より値段は高く、時間もかかりますが、日本の良いものを、世界へ!そして私たち日本人も、もう一度職人の技、日本の技を見つめなおしたいですね。
上質仕立てのオーダースーツは ¥102,900~
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