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オーダースーツ 東京ボットーネの松はじめです。

最近一番驚いたこと、それは、当店の外国人のお客様です。食べるものは全てオーガニック、ホテルはスイート、秘書もいらっしゃって、やはりかなりの富裕層の方というのは察していたのですが…
何とその国の申告所得ランキングで、上位10位内に入られていたのだそうです。その国というのも、小国ではなく現在GDP世界No.1のあの国!?

その方が「ここに道を作れ」といえば、一週間位で完成してしまうんでしょうかね(汗)スーツも80万円くらいのご予算で、極上生地、極上仕立て、まるで芸術品のような洋服を制作させて頂いておりますよ。す、すごいですねぇとしかいいようがありませんね…


さて、世間ではどんどん短くなるコート丈、ボットーネの今年は丈の長め、チェスターフィールドコートのご注文が殺到しております。

この日は、「10月くらいにちょっとロンドンとかで羽織れるカシミアコート」ということで、打ち合わせさせて頂いていたチェスターフィールドコートの、最初の合わせです。
ビスポーク職人同席で、クラシックチェスターフィールドコート、パタンナーが組んだトアルによる着せつけを行いました。布はまだシーチングの生地です。
 
この後は12月に、カシミア本生地を使用して仮縫い、そしてクリスマスイブお渡し、となりそうです。今回はあまり公開されない、ビスポークフルオーダーのフィッティングの様子を公開させて頂きます…
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前身、後身にピンを打ちながら、都度姿見で確認。
この行為自体は、これで完成するわけでもなく、ただただ立っていなければいけませんから、楽しいとかうれしいとか感じるわけではないと思うのですが、やはり思った物と違ったのができてきた…という事はなくなりますから、完成品に期待が高まりますよね。

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チェスターフィールドコートの中に、ベスト?
実は今回はロンドンで見たコートを再現したい、というお客様のご希望で特注!
チェスターフィールドコートの内側に、脱着式の共生地ベストを取り付ける構想です。

脱着はファスナーで行います。

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チェスターフィールドコートには、シングルとダブルとがあります。
今回はシングルチェスターフィールドで、ノッチドラペル、両脇にフラップ付きポケットをつけ、ウエストをやや絞ったフレア感のあるシルエットのコートです。
19世紀、チェスターフィールド卿が最初に着用したことからこの名前がつけられたといいます。
正式には、比翼仕立て、上衿にビロードを使います。丈はヒザ下~ふくらはぎの当たりまでがクラシック。
モーニングや燕尾服やタキシードの上から着るものです。

現代はヒザ上で比翼ではないチェスターフィールドコートが良く売られていますが、こちらはセミチェスター。個人的にはカジュアルタウンユースには良いのかな?と思います。
 

チェスターフィールドコートは、カシミアツイードを用います。
ところでカシミアは英国の富裕層には明るめ紺色か黒が好まれます。
日本では濃紺が好まれる傾向があるんです。

イタリアのカシミアは、生地をロールで染めます。濃紺カシミアはこうして作られますが、英国の中でも最上級クラスのカシミアとなりますと、縦糸を黒、横糸を紺やブルーといった風にし、織ります。すると、濃紺は作りにくく、明るめ紺になるわけです。ですから、黒か紺を着て、代々そのコートは継承していくのです。

紺色のラインナップがこんなに細かく分かれて要望される国は、日本人くらいなどと言われますが、海外に行く方は気にしたいところですよね。
もちろん、似合う似合わない、そしてお好みもあります。私も濃紺が好きなので。

そんなチェスターフィールドコートこそオーダーメイドしがいのあるアイテムかもしれませんね。
ましてビスポークなら腰ポケット形状まで、ポケットに手を入れた時の美しさを考慮したり、ボタン位置、裾のフレア感など、ミリ単位の調整を入れていきます。 

さて、次回仮縫いです。
写真のトワルは、

この後、極上カシミアとシルク裏地を使い、


約50万円のチェスターフィールドコートへと仕上げていきます。


完成しましたら、ご紹介させて頂きますね。

 


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