スーツを着こなすには、靴やシャツ、ネクタイといったものの合わせが重要になります。その中で注目したいのがシャツの衿です。シャツの衿は実にたくさんのデザインが存在しています。
シャツの衿は、例えば以下のようなデザインがあります。
・レギュラーカラー
・セミワイドカラー
・ダブルカラー
・デュエボットーニカラー
・トレボットーニカラー
・ワンナップカラー
・ボタンダウンカラー
・ラウンドカラー
・イタリアンカラー
・スナップダウンカラー
・ウイングカラー
まだありますが、、このようにシャツの衿は、様々なデザインがあります。
私のお勧めとしては…
私は白いシャツが好きで、持っているほとんどが白いシャツです。中でも多い衿は、セミワイドカラーとデュエボットーニカラーです。これらはジャケットなどで合わせる時、第一ボタンが空きすぎずにエレガントですし、カジュアルすぎずドレスすぎず、ちょうど良い雰囲気になります。
デュエボットーニカラーというのは、台衿にボタンが2つ付けられた衿のデザインです。私たちの社名でもあるボットーネがイタリア語でボタンという意味で、その複数形がボットーニです。デュエは2を表します。ちなみにこの上はトレボットーニといい、台衿にボタンが3つ付けられた、こちらはかなりデザイン度が高いシャツです。
デュエボットーニの衿は、衿が高く、近年既製品でも多くなってきたのですが、できれば幅が広めのネクタイと合わせ、セミウインザーノットで結ぶことをお勧めします。なぜかといえば、シャツの衿が高いため、一般的な今風スーツに合わせるとどうも衿が浮き出てしまいます。タイを締めても今風な細いタイでは今一つしっくりきません。そもそもデュエボットーニはイタリアンクラシコスーツ用のシャツですから、そうなるのです。それから、デュエボットーニはノータイに向いていると思います。最近のクールビズスタイルには最適です。
クレリックカラーも最近はよく見るようになりました。
私も何枚も揃えています。このクレリックカラーを着用する際はネクタイを締めることをお勧めします。クレリックとは、牧師・聖職者という意味です。かつて牧師達が着ていた、白い立ち衿のついた僧服からこのシャツの名前がつけられたといいます。クレリックシャツは1920年代に流行しました。最近でもクールビズの影響を受け、若手ビジネスマンを中心に人気が出ています。そんなクレリックシャツは清楚、爽やか、という印象を与えます。
私がクレリックを着る際のコーディネートとして注意しているのは、クレリックは少々若い印象や、可愛い印象を与え兼ねないので、ソリッドタイ(無地のネクタイ)などと合わせバランスを取ることです。
ウイングカラーはフォーマル専用の衿型です。正装では燕尾服、またタキシードに合わせるシャツです。胸元にヒダのようなものが付いていますが、もともとは勲章をとめた際に、その重さに耐えられるようにつけられた胸当てから始まり、現在のようにシャツと一体化したものを正式とされるようになりました。特別なシーンのため、ウイングカラーはタキシードとともに一枚は揃えておくと重宝します。
ボタンダウンカラーはややくつろいだ印象を醸します。もともとはポロの競技用のシャツが発祥です。ポロ競技の選手達が、ユニフォームの衿が風にあおられてしまい、フワフワするのを押さえるため、衿の先にボタンを付けていました。アメリカントラッド、アイビーといえばブルックスブラザーズが思い描かれる方も多いと思いますが、ジョン・ブルックスが、イギリスのポロ競技を観に行った際に、その選手達の衿先のボタンからヒラメキを得て、ブルックスブラザースのシャツにその衿を取り入れて売り出したのだといわれています。
また、ネクタイはシャツの衿によって、結び方を変えるとより美しく、しっくりきます。様々なネクタイの結び方をマスターし、使い分けられたなら、同じネクタイ、同じスーツがまったく別物になるから不思議です。そのくらい印象というのは、小さなことで変わります。小さなことを変化させる、その細部をどこまでこだわるか?それこそがお洒落です。パッと見の大きな変化よりも、こうした細部が奥ゆかしくて面白いと思うのです。
神は細部に宿る、といったところなのでしょう。
ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。