松はじめです。
ご縁あって個人的にパタンナー、K氏から型紙について学ばせてもらっています。

私たちのスーツはすでに製作してある型紙をベースに使いったマシンメイド、またはハンドメイドですが、今回は新しく型紙を起こす工程とパタンナーK氏の情熱を学んできました。

角尺、カーブ尺と4B鉛筆を使い製図をスタート…

採寸データを元に美しく見えるバランスを出し、製図していきます。
教えながらも驚くべきスピードと精密さは、さすが東京、京都とコンクールで賞を受賞されているだけあります。

写真はちょうどラペル部分を描いているところ。
「ここが感性なんだ」とパタンナーK氏。

鉛(えん)チャコを自在に駆使し、微妙な湾曲は芸術としかいいようがなく、なんとK氏からは内にラペルの製図をし、外に反転させるという究極の技まで教えて頂きました。


私がしびれた五十嵐九十九氏の名言です。
「絵描きはメジャーを持つか?」

 

「バストをどうするかで物語ができる」

ポイントをB1/2(バストの半分)をもとに割り出していきます。


よく、スーツは肩で合わせる、と思っている方が多いのですが、それは実は完璧ではありません。

全てはバランスの上に成り立ち、

極端に細くというのも美しくなく、バストと肩はつながっていますから、大幅な変更をするのは形を崩すことになります。


また、ボタン位置とポケット位置。
最近はブリティッシュスタイルの流行からポケット位置とボタン位置が上がっていますが、これにもバランスがあります。

型紙を知らずしてボタン間を変えるのは、最終的にずれたスーツが完成することになります。
フィッターやスタイリストの方々、十分注意してくださいね。
(私のブログは結構同業の方も読んでいるようなので^^)

ゴージラインも細ラペルとともに高い位置になってきました。
今回はゴージ位置も色々と描いて頂いていますが、ラペル幅とのバランスがあります。

アームホールです。身頃と綺麗にくっくことが前提ですから、立体的に考えていきます。

洋服の要は型紙!


さて、こうして製図した型紙をカット、
生地の上にあていよいよ裁断に入るわけです。

左三枚は今回製図した私の型紙です。
この設計図を元に裁断師が裁断します。

裁断もテクニックを要するところ。
ストライプ、チェック生地は地の目線が要となります。

裁断後、生地を縫い、仮縫いをして、本縫い、プレスをして完成します…



メモも写真も必要ない!
集中して聞きなさい。
という4時間にわたって教えてくださったK氏、この道40年のどれだけの物を吸収できたのだろう、と考えながらも、

間違いなく私はその熱い想いを継承しました。


次回は、今回の型紙で仮縫いをします。

 

あなたとオーダーメイドの世界を繋ぐボタンとして
Bottone



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