
はい、まあそんなに頻繁にということではないのですが。
一度だけ、
私の父が使っていた銀座のあるテーラーさんで一着、
随分前になりますが、全て予算をカバーしてもらって、
一つ誂えていただいたのです。

そうなのですね。

その時はこう、正直言って出来上がったものがあまり気にいらなくて、
それはスーツそのものというよりも、
自分がスーツの似合わない体型というか、人間なのだなというふうに、
自分の中であきらめモードだったのですね。
まあ、で、その後、
社会人になってスーツ―着る場面も多くなってきたのですけれども、
その時に誂えてもらったというものがあまり気に入らなかったというトラウマが、ずっとありまして。 
そうだったのですね。

その後もデパートのセミオーダーなどで何着か作って、それを着ていたりして。
ただ、デパートでも誂えたものも、
鏡の前に立つと、
あースーツは似合わないなー、と自分でずっと思っていたのです。
その後会社勤めを辞めて、今の道に至るプロセスに入るのですけれども、
その間あまりスーツを着ることはなくて、

そんな意味で自分のこう、
スーツを着て・・
あまり気に入らない姿を見る必要もないなー、無くなったなーという、
そういうリラックス感もあったのですけれども。
その後、教職という世界に入って、
また仕事以外でもプライベートな場面で、
例えば冠婚葬祭とかそういう場面でフォーマルな恰好をしなければいけないということもありますから、
ですからまたスーツの必要性というのは感じていたのですが、
ただ、
そういう銀座の老舗さんで作り、
あるいはもうちょっとお手軽にデパートなどで作っても、
まあやっぱりスーツって自分はダメなのだろうなーと思って。
でもある時にどうしてもスーツを一つ準備しなければいけないというときに、
ネットで色々探して、
こちらのボットーネさんと巡り合ったということだったのです。

しっくりくるスーツに出会えなかった今井様!ボットーネでお仕立てさせていただいて起きたある変化とは!??

たしか、・・あれは6,7年前、 2009年とかですかね?

そうですね。

じゃあそこで、ま、なかなかこう、しっくりくるスーツがそれまで、出会えなかったというか、
もともとスーツが似合いにくいんだなぁという部分をお感じになられたのが、
こちら(ボットーネ)で作らせていただいて、
何か変わったなとお感じ頂いた部分があったということですか?

何よりも当然最初は、
御社のサイトとか松さんのブログも読ませていただいたりしていましたが、
その時に、その人に合ったスーツということで、
当然それはどのようなテーラーさんもされている事だとは思うのですが、
要するに魅せるスーツをつくる、というそういう趣旨のことが書いてあったように記憶していて。

単純に体型にフィットするということだけじゃなくて、
演出するというようなことがかかれていたのが目に留まりました。
それまでの自分は体型にフィットすることイコール、スーツが似合うか似合わないかということだと思っていましたので、
スーツは似合わない体型で、それは生まれつきだからしょうがないと思っていて。
またその昔は今よりもウエイトトレーニングをやっていて、
身長の割に胸囲がありまして、
それでスーツを作る、あるいは出来合いの既成のものを、
胸に合わせると丈が合わないとか、
そういうような不都合もあったのですね。


スーツは、自分は、
って思っていたところに松さんのそのブログ、
こちらのボットーネさんのブログで、
その体型にフィットさせることを中心軸に置いていないというところが非常に、
その時自分が求めていたものとこうシンクロするというか、共感するものがあったのです。
ただネット上の話なので、実際のところどうなのかなぁと思って、
でも、そうこうしているうちにスーツが必要なその日がどんどん迫って、
ま、とりあえず一着作ってみようと、ダメもとで、
当時の新宿のサロンに伺ったのです。

なるほど!ただフィットするだけがオーダースーツじゃありません!と想いを書いていたのがご縁だったのですね!

そこで色々と打ち合わせを重ねていく中で、確か一着目はネイビーの。

そうですね、
今日、それを着てくれば良かったのかな(笑)

実際に仕立て上がってきて、今仰っていたような部分は少し体現されていたというところが?

そうですね。

どのような部分でしたか?

ま、自分で鏡を見てそれだけで、
自己満足ということも無きにしも非ずではありましたが、
その後にそのスーツを着て、例えば仕事へ出たり、
あるいは友人やその他知り合いの人たちと集まる機会があり、
そういうところに着て行くと周囲からも、
あ、いいね、良いね、と言われるようになったのです。


ですから、自分の中だけでいい、
自分がそうやって思い入れて作ったのだから、
良いように思わなくては!と、自分を仕向けていくという、
そういうことだけではなくて、
周りの方たちから本当そのスーツすごく素敵、と言っていただけるようになった、
それまではそういったことははっきり言ってあまりなかった。

そうですか!

まさにそうやって他の人に見ていただいた上で、
そう思っていただけるようなスーツを手に入れられる事が出来たのだという嬉しさはありましたよ。
確かに、他者の評価はとても大事ですね!

なるほど、そうやって、スーツにもともと少し抵抗あったものが、
そこからこうスーツに対する今井様自身の想いも変わった部分なんかあります?

今までは敬遠していたのが、着て行こうという風に手が自然に伸びるというか。
クローゼットの中の、昔ならどうせ似合わないからということで封印していたのが、
こちらで作っていただけるようになってからは、
まずはクローゼットを開けて自分の手が伸びるようになったという大きな違いがあります。

いつも選ばれるスーツの生地のご提案をさせていただくこともあれば、
お選びいただき、あぁこういうのがいいなというイメージをお持ちでいらっしゃる時もあるかと思うのですが、
そういったときにどのような基準で、例えば着用する場面によっても違うと思うのですが、
どこに重きを置いてお選びになられていますか?

一番にはやはり色目というか、その季節にどのような色目が良いかということです。
最近は小寺さんがずっとアテンドしてくださいますけれども、
基本的にこういうコンセプトで、と抽象的で曖昧なものを小寺さんに丸投げすると、
何度もお話を重ねる中で、ストライク!というものをいつも選んでくださいますから、
最近ではある程度こういう方向性をお話して、
あとはお任せという感じですね。

ラインナップとしては大分そろってきましたか?

そんなには多くはなくて、
ただどこかで人と違う、自分自身の差別化を図りたいと思っている節もあるので、
例えば紺系でも普通にはない、あまり見ないような色とか、
このスーツも丁度ご相談した時に、面白い色目のものがあるということでご紹介いただいて、素敵ですね、と。
ちょっとこうひねりというか、何かこう自分の性格がへそ曲がりなので。

(笑)

あまり人と一緒ではなくて、
かといって奇をてらったそういったものはダメなのですけれども、
あるようでないところに惹かれるものがありますね。

王道の中の少し、個性ですね?

えぇ。

今井様がボットーネにこれから望むこと、求めることはどのようなことですか?

基本的にこのボットーネさんのビジネススタイルがあるからこそ、
またそれが松さんやスタッフの皆さんのご努力で培われているからこそ、
もう毎日のようにフィッティングでお忙しく本当に発展されていることだと思います、
ですからこの今の、
一人一人のクライアントにアテンドしていくというこの姿勢というものは
ずっと保っていただきたいなと思います。
老舗の看板、最後に温かいお言葉をいただきました!

松さんご自身がブログで、
銀座の老舗には叶わないかもしれないけど、
というのがその当時はあったかと思うのですが、
でも、銀座の老舗っていうのも、昔はそれこそ何もないところから段々ステップアップしていってのことだと思うので、
いわゆるブランドとして確立して欲しいとかそういうことではなくて、
その老舗の持っている、ちょっと普通のお店ではない心配りとか気づきとか、
そうしたものがあるからこそ淘汰されていく中でも残っていくのだと思うのです。
高い商品を扱っている、そういうことだけじゃなくて、
そこに携わっている人の心、あるいはちょっとした気遣いだとかそうしたもので、
実は小さいものなのだけど、大きな差がついていく。
それはこういうフィールドに限らず、どこのフィールドでもやっぱり人と人とのそのコンタクト、
出会いがあるということはそういうところだと思います。
ですから皆さんのそうした今のビジネススタイルっていうものの中に、
既にそういったものがあって、
それを益々本当の意味での老舗としてボットーネっていう看板が残っていけるような、
僕の様な者が言うことではないのですけれども、
そうした心遣いを頂ければ、一クライアントとしても嬉しいなって思います。

はい!!ありがとうございます。
今後ともぜひともよろしくお願いいたします。

こちらこそ、今後ともぜひともよろしくお願いいたします。

今日はありがとうございました!!
ということで、いつもご贔屓にしてくださっている今井様、
えぇ〜などの言葉を除いて、ほぼノーカットでお届けいたしました。
インタビュアーである私の質問が下手ですが、
今井様のお言葉は心に刺さります。
特に、最後に頂戴した言葉。
今は吹けば飛ぶような小さな会社です。
しかし、老舗として看板を残せるように、
独善的ではなく、さり気なくも温かな、気遣いを忘れず、
謙虚に、感謝して進んでいかなければ、
我々に未来はありません。
こうした部分は、年末に別の経営者の方から言われた内容ともほぼ同じで、
非常にシンクロしました。
地道に、コツコツ、これからもサロンも自分自身を磨き続けて行かなければ、
と思いました。
今井様、本当にありがとうございます!
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