
オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。
ロンドンからは、ハリソンズオブエジンバラのリージェンシーというバンチもプルミエクリュと並んでリニューアル。
経糸も横糸も双糸、とてもコシがあり、堅牢な仕上がりとなります。
そろそろコートのオーダーの打ち合わせもはじまって、
秋のご結婚式のオーダータキシードの納品も続いております。
当サロンには結婚式や各種式典で着用するオーダースーツやタキシード制作のご依頼も少なくないのですが、先日、このような質問を頂戴しました。
結婚式に列席する、50代男性で、少しお洒落をしたいのですが、
イタリアンカラーのシャツ(スキッパーシャツ)を着て、
アスコットタイを衿の外側に巻こうと思っているのですが、
おかしいですか?
今後控えている結婚式は、
親戚の結婚式と、友人のような近しい間柄の結婚式です。
ちなみにこのシャツは購入時にウイングカラーと迷ったのですが。
なかなかネットの情報も色々あり、
よくわからないので思い切って質問させていただきました。
この着こなしはルールからは外れています。
イタリアンカラーのシャツ、スキッパータイプのシャツ、というのは、
質問者様の購入されたシャツを拝見はしていませんが、
基本的には第一ボタンなりを留めず、
タイをせずに着用するシャツのことではないかなと思います。
すると、もしこのシャツにアスコットタイを合わせた着こなしをする、
というのであれば、シャツの襟の内側にアスコットタイを
スカーフのように巻く方が合うと思います。
ただ、質問者様が50代ということを考えますと、
これではいささか気取りすぎた印象になるかもしれません。
このあたりは正直何ともいえません。
というのも、堺正章さんのような方が上記のスタイルをサラッとなされば、
サマになり、ファッショナブルに映り、キャラクターがあります。

もしくは、ワイドカラーなどのシャツに、
開襟でアスコットタイを合わせてみてはいかがでしょう?

50代というご年齢からして、
アイビーなど一通りのファッションをご経験されていらっしゃるかもしれませんので、
ある程度の服装をしてきて、
今回は狙って外すスタイル、というのであればとても素敵なのではないかなと思います。

ただ、
もしご親族の結婚式などで、
きちんとした印象を与えるのであれば、
迷っていらした候補の一つ、ウイングカラーをお勧めいたします。

(質問)ウイングカラーなら、
シャツの衿の内側に巻いても、
衿の外側に巻いても、どっちでも大丈夫ですか?

基本的にはウイングカラーのシャツは、
衿の外側にアスコットタイやネクタイ、ボウタイを巻くシャツです。
ですが、
例えば夜のパーティーなどで衿の内側に巻くことで、
華やかさを出すことも、演出としては可能です。
スキッパーシャツの衿の上にアスコットタイを巻くのは、
やはりおかしいということですね?
正攻法ではないと思います。
例えばお若い方がそのようなスタイルをされていたら、
あぁ、知らないのかな?と映る可能性もあります。
正装のラインには乗ってきませんが、
おかしい、とは一概にはいえません、
ファッションなので、全体の調和がとれていればOKです。
ウイングカラーシャツは、
衿の部分が一般的なシャツより小さめで、
飛び跳ねるように立っているのが特徴です。
タキシード着用の場合には、ピンタック仕様も。

タキシード着用の場合は、さらにこのボタンを隠す、
オニキスのスタッドボタンがあればなお良し。

首元のボタンの次、第一ボタンから第三ボタンがオニキスのスタッドボタンとなり、
以降はカマーバンドや、ご覧のようなベストで隠す形となります。
シャツは下着。
下着のボタンを晒すなんてとんでもない!ということから、
基本的にはボタンを露出させないために、このようにスタッドボタン仕様にするのです。

袖はダブルカフスが一般的ですが、
実はもともとシングルカフだったという説もあり、
私はシングル・ダブルはいずれでも問題ないと思います。
カフリンクスは身に着けた方が、よりエレガントです。
カフ(袖)をリンク(繋ぐ)するカフリンクス。
手を綺麗に見せる効果も。
タキシードに合わせるシャツ
カフリンクスのルール
そしてシャツも年々トレンドが変化しています。
シャツの展示会へ
自分のスタイルを確立させつつ、
時代性を少し取り入れると、さらにファッション(装い)が楽しくなります。
礼装という言葉がありますが、
礼服という単品アイテムではなく、それを装って礼装になる、
ですから点では魅力がなかったアイテムでも、
サラダのように混ぜ合わせることで引き立つことがあります。

本日最後に、ダブルの1つ掛けジャケット。
こちらは上下セットアップのスーツですが、
カジュアルシーンにも着用できるジャケットに、
さらには今回ご兄弟の方の結婚式があり、そちらにも、ということでご依頼いただいておりました。
単純なスーティングの生地ではなく、
素材感のあるものをご提案し、それぞれ別々にもご着用いただけます。

履いていらっしゃったPT01に近いシルエットのボトムに仕上げています。
さすがにストレッチ性はないので、裾は17センチ台で我慢しました。
お陰様で大絶賛をいただきまして、撮影。
しっかりとしたフォーマル仕様のご依頼もあれば、
責めの1着のご依頼もあり、くるぶし丈になりました。
デニムとの相性も抜群ですね。
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