ガンクラブチェックのコート

オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。

秋は一体いつだったのだろう?
そう思うくらい急激に冷え込んできたかと思えば、表参道のメインストリートは、電灯祭(イルミネーション)が灯り、毎年恒例の出来事が続くなか、英国のユーロ離脱に続き、アメリカ国旗のような赤いパワータイのトランプ氏が大統領になるという、予測困難な日々。

そんななか、今季仕立て上がりました、ガンクラブチェックのステンカラーコートを早速羽織ってみました。
カシミア100%、ウエイトは350gとややライトなので、
カシミア混のジャケットと、さらにジレを追加しています。



コート ジャケット 着こなし

お久しぶりのMさん、最初はオペラでのタキシードに始まり、スーツが続き、昨日は初のジャケット&パンツ&シャツのトータルコーディネートのご依頼でした。
それから結婚式のタキシードの打ち合わせに、ドーメルのスーツの仕立てが続き、最近は平日ながら充実した日が続いており、お蔭さまで今週末も満席となりました。
 


イタリアのスーツ生地


さて、本日も生地のお話しです。

スーツを仕立てよう、そう思った時にまずは生地を選ぶわけですが、
イタリアの生地とイギリスの生地、或いは日本の生地が出てきて、
さぁどれにします?と言われ、困った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。



そのようなことで、実際に生地を選ぼうとした時の参考になれば、と素材の情報もアップしていきます。
イタリアとイギリス、まずはどのような軸が違うのでしょう?


チェックボックス強撚糸?甘撚り?どちらにする?糸は撚って糸になる




二枚衿ボタンダウンシャツ

スーツになるためには、生地が必要です。



糸は撚る

そこでまず、生地から考えていきます。

生地は糸が織られてできています。

生地から糸をぴっと引っ張ってみると、真っすぐ、ピンとしていないのです。
こんな風にくるくると捻じれています。

どうしてなのかというと、そもそも糸というのは、短い繊維が固まって、それを撚ることで糸になります。
なぜ撚るのかといいますと、糸を撚ることで均一性が出ますし、ぐるっと撚ったことで、元の方向に戻ろうとするため、伸びたり縮んだりしますから、弾力が出るのです。
 
また、丸みが出て、これだけではないのですが、光沢も出ます。


それから、強くなります。
まぁ、撚らなきゃちょっとした強さ切れてしまいますからね。



チェックボックス生地の風合いはどうやって決まる?




それで、人間の性格のように、生地の風合いが決まる要素って色々なものがあるのですが、
例えば人間ならば、生まれ持ったDNA、育った環境(気候、周囲の人などなど)とか、色々あるように、
生地の場合はまず原料ですね。

サウスダウン


ウールにもイギリスの寒冷な地域の、英国羊毛と、オーストラリアメリノウールとでも随分と違いますし、カシミア、リネン、コットンなどで違います。


あとは打ち込みの強弱とか、整理による違いもあるのですが、
大きい要素がこの撚りの違いなのです。


例えば、1インチ間の撚り回数が18回以下だと、甘撚りとなって、ぬめり感が強くなります。
反対に、撚り回数を多くしていくと、強撚糸(きょうねんし)といって、張り腰が出て、シャリ感が出ます。

エルメネジルド・ゼニアの生地のなかにトラベラーというシリーズがありますが、
これなんかはトラベル、つまり出張などに向いているというコンセプトだったと思うのですが、
強撚糸にしています。



チェックボックスイタリアとイギリス、横糸が違う?


 
スーツ生地の糸

それから、単糸(たんし)と双糸(そうし)というのが良く使用される糸です。
これが、国によって違いをつけている部分でもあります。


経糸(たていと)は織機にかけた時に力がかかりますから、
基本的には双糸を使います。

ロープをイメージするとわかるように、
当然ですが1本の糸よりも、2本1組にした糸の方が丈夫です。
2本の糸を1本に、撚るわけです。
これで双糸になります。


イタリアは、横糸は単子が多い

イタリアでは、横糸は単糸といって、1本の糸で織っていることが多いです。
日本・イギリス生地は横糸も双糸が多いです。
日本とイギリスが同じなのは、日本がイギリスの紡績をモデリングしているからなのでしょうが、

イタリアの生地に多い、横糸単糸だと、
しなやか、柔らかい織物になりやすい特徴があります。


イギリスの生地に多い、横糸双糸だと、
堅牢で耐久度が上がり、張り腰が出やすく、丈夫になりやすい特徴があります。


それはそうですよね、髪の毛なんかも細いしなやかな髪の女性がいますが、
三つ編みにすれば強度は増します。
一概にどちらが良いというわけではないのですが、
そのように、糸の違いが影響しているのです。


双糸

ハリソンズオブエジンバラの生地の縁をとって、
撚ってある部分をほどいてみました。
2本の糸を1本にしている、双糸です。


これからは、イギリス生地か、イタリア生地か、どちらで仕立てようか、という軸にプラスして、
強撚糸か、甘撚りか、単糸か双糸か、
スーツに求めるものを考えながら、そんなところまで考えてみても面白いですね。


 

ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。