IMG_5797

オーダースーツ コンシェルジュ ボットーネの松はじめです。

コートのオーダーも少なくない今年、お渡しもラッシュに入りました。この週末も全て予約で埋まってしまいましたが、じっくり一緒にあなたのスタイルを作ろうといたしますと、路面店ではないこういうスタイルが良い物作りには最適です。

冒頭の写真はステンカラーのオーダーコートです。袖が肩のところで切り返さない、ラグランスリーブになっているのが特徴です。丈もクラシックでエレガントな仕上がりです。


さて、先日は結婚式の服装でやってはいけないシリーズをお伝えしておりました。
朝からの結婚式 やってはいけない服装
夕方からの結婚式 やってはいけない服装

本日は避けて通ることができない、葬式の服装についてです。


葬式に呼ばれました、次のうち西洋諸国から見ておかしいと思われる、やってはいけない喪服スタイルはどれでしょう?
1つです。


1:ディレクターズスーツに、黒のベストを着用
2:黒のスーツ×黒ネクタイ
3:濃紺のスーツ×濃紺の小紋タイ
4:ブルーグレイのスーツ×白シャツ×黒ポケットチーフ
5:紺のスーツ×紺無地タイ



 

1999年のヨルダン前国王の葬儀の服装(落合正勝著書より)


カーター、フォード元大統領は、濃紺のスーツに同系色のタイ、クリントン元大統領は黒っぽいスーツに白シャツ、紺地に小紋のタイ、ロシアのエリツィン前大統領はスーツ、タイともに紺、英国のチャールズ皇太子は、ブルーグレイのスーツに白シャツ、胸ポケットに喪章として黒のポケットチーフを覗かせた。ついでにいえば、英国のダイアナ元妃の葬送の際の、王室一族の服装は、ネイビー・ブルーが多かった。

黒いスーツに白いシャツ、黒いタイを締めていたのはアメリカのブッシュ元大統領と、日本の小渕元首相くらいのものだ。





ということで、
なんと唯一の間違いは、  黒のスーツ×黒ネクタイ。




日本の80%の方が「え?」と思われたかもしれませんが、葬式=黒は間違い、というと語弊があるかもしれませんが、必ずしも正解ではないのです。

葬式の服装 男性

海外の国葬では、各国の首脳は紺が多かった、という記事を紹介しましたが、
紺という色には、こんな意味を表しています。

正義
忠誠
高貴
希望
敬愛


よく日本では、「礼服持ってる?」というような会話がありますね。
礼服とは何でしょう?
黒のスーツでしょうか?


海外の方からすれば、黒のスーツは黒のスーツ。
でも黒のスーツであっても、ウイングカラーのシャツに時間に合ったタイをしていれば、礼装に映ります。



だから、物ありきではないんですね。
礼服ではなくて、礼装、装う。きちんとコーディネートされてはじめてスタイルだよね、となるのです。
となると、着ている色で喪の心を表そう、とネイビーに重きが置かれるわけです。




と、ここまで書きましたが、日本ではブラックスーツが準礼装とされるルールもあります。ですから、喪服が黒が完全に間違いである、ということをあなたにお伝えしたかったのではなく、洋服とは他者への気遣いである、ということを感じて頂きたかったのです。

特に欧州は階級によって服装がまったく異なりますから、日本で社会人1年目で上司とともに行く葬儀であれば、そこは黒が無難なのであります。


また、冒頭の1、ディレクターズスーツの着用についてですが、お通夜では着用できません。
そして喪主であるかどうか、によっても異なります。
つまりは、喪主がディレクターズスーツであれば、親族はディレクターズスーツを着用できますが、喪主がディレクターズスーツでない場合は着用できません。

そして喪主の方の正式な服装は、モーニングコートです。







もともとは白だった日本の喪服


ところで日本なんですが、一体なぜ黒黒黒になってしまったのかということを見ていきます。


まず、日本書紀や隋書倭国伝によれば、日本は基本的には喪服は白でした。
 

ところがこの後、平安時代、一度黒になるのです。
718年に発令された養老律令という法令で、
「天皇は直系二親等以上の喪には錫紵を着る」と記載されているようです。 

この後室町時代になると、また白の喪服に戻り、江戸時代もこの流れが続きます。



こうして日本において改めて「葬式=黒い服」になったのは、明治維新。
なんでもかんでも西洋文明!ということでまずは黒が広がったのか、
戦争死者が多かったので、白では何度も着ると汚れが目立つ・・と黒になったのか、
諸説あります。


昭和になりますと、黒礼服を揃えましょう!というようなアパレルメーカーの仕掛けが功を奏し、
今では「どうして日本の葬儀はマフィアばかりなの?」と海外から言われるように、見事に黒集団となりました。



ということで、世界から見るとおかしな日本服装スタイル。
考え抜いた結果がそれなら違いますが、葬儀だから黒に黒ネクタイだよね、というのは安易すぎるのではないでしょうか?

これからは国内の葬儀でも、マットな(光沢のあまりない)濃紺スーツ、ベストを着たスリーピースはいかがでしょう?



ボットーネでは創業以来、ただスーツを仕立てるだけでなく、立場や時間、与えたい印象、好み、お持ちのアイテム、似合う色と柄、今と未来のスタイルをトータルで考えた、あなたに最適な戦略的スーツのお仕立てと着こなしをご提案いたしますので、まずはメールで日程をご予約ください。