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オーダースーツコンシェルジュ ボットーネの松はじめです。
世界に誇る、水の綺麗な村の、小さな織物工場で、いまでも工芸のような高品質な生地が織られているのをご存知ですか?しかも、ゼニアやロロ・ピアーナのように知名度もありません。宣伝もしていませんから、驚くような品質なのに、安いです。
それは、バルベラという生地です。私が着ている茶色のサマースーツがそうです。

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本日はCarlo Barbera(カルロ・バルベラ)のこだわりついてご紹介しますね。やはり創業者は、その名の通りのカルロ・バルベラ氏です。格好いいですね~。

カルロ・バルベラ氏は、オレステ リベルテイという工場で働いていたのですが、ここから彼のテキスタイル・デザイナーとしての才能が広がっていきますと、織物工場を経営しないか?という話が持ち込まれたんです…
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その工場は、緑に囲まれた丘陵地帯の中にあります。ストローナ川とソッカスカ川という、とても綺麗な川がある小さな村にあります。水や空気、この環境、まさに織物には最適な場所なのです。19世紀の終わりごろは、ここでは白いフランネルのテニスウェア用生地が生産されていました。カルロ・バルベラはこの工場を引き継ぎます、最高の織り機とともに。
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1949年、カルロ・バルベラはここで弟のサケレと仕事をはじめました。そして息子のルチアーノとジョルジオをイギリス、アメリカ、西ドイツに留学させて、知識と国際感覚を学ばせました。息子たち帰国後、ルチアーノにはデザインと営業を、ジョルジョには工場の経営管理を担当させます。

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この羊たちが皆さまの上質スーツになってゆくのです。

バルベラの製品は、16/18ミクロンという細かさのスーペリアというオーストラリア原産の羊毛と、中国とモンゴル原産のカシミアのみで生産されます。オーストラリアのオークションで、バルベラ社は最上ウール原毛を吟味して買い付け、イタリア国内の優秀な紡績工場で丁寧に糸が紡がれていきます。紡績工場のいくつかには、バルベラ社も出資しています。


糸は、糸の緊張を解くために、地下の倉庫で寝かせます。この地下の倉庫は岩を切り出して作ってあります。地下にはストローナ川の水が引き込まれていて、一年中気温7度、湿度75%に保たれているのです。
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この地下倉庫で、糸が本来の特性を取り戻します。ただの糸から、バルベラの織物となる、とても重要な工程なのですね。
特に気を使うのが染色。90番、100番、120番などの糸を撚るので、デリケートな細かい織物には傷が付きやすいですからね。
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そして、仕上げの洗い、水に浸してもみ、織糸が縮んで布面を収縮させる縮充という作業、
無理な力を加えないでローラーで強く押して、艷を出す圧絨という作業
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そういう工程で、何時間も人の手で真心をこめて作業されていきます。長年の経験が必要です。

手間はどれだけでもかけようと思えばかけられます。ですが、量産化が進んでいき効率を求めると、手作業とか手間とか、伝統といったものもそこから離れていってしまいます。すると、どこに行っても同じようなモノに溢れることになるんですね。高級ブランドも、昔ほどのこだわりを感じるには、どのブランドも似た感じになってきていると思いませんんか?
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バルベラのこうしたこだわりは、本当に織物を愛していないと、なかなかできませんよね。小さな織物工場、カルロ・バルベラはビエラの誇り、世界の誇りです。


これからもこうした品の良い生地を、きちんと手間のかかる縫製で一着一着丁寧に作り、みなさまへお届けいたしていきたいです。


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